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定期売却サービスで取り崩す実務|手数料・約定日・税金の落とし穴

経済的自由

はじめに

証券口座の画面には、積立の設定と並んで「定期売却」の項目がある。 使ったことはない。 それでも、いつか押す日が来るのだろうと思いながら眺めていた。

買う仕組みだけが自動になっていて、売る仕組みは何も決まっていなかった。

入金は、押した日には届かない

定期売却でつまずきやすいのは、金額ではなく日付かもしれない。 申込日、約定日、受渡日——この三つは、たいてい別の日だ。 海外の資産を組み入れたファンドでは、約定が申込の翌営業日になるのが一般的だ。 そこから受渡まで、さらに数営業日。

つまり「毎月この日に売る」と決めても、口座に現金が届くのはその先になる。 家賃やカードの引き落としに合わせるつもりなら、逆算しておかないと間に合わない。

日数はファンドごと、会社ごとに違う。 目論見書と取引画面で確かめるしかないのだ。

金額か、率か、期間か

多くのサービスは、金額指定・定率指定・期間指定から選ぶ形になっている。

・金額指定は毎月売る額が決まる。その代わり、下がった月ほど多くの口数を手放す ・定率指定は残高に応じて売る額が変わる。資産は長持ちしやすいが、生活費としては当てにしづらい ・期間指定は、受け取り終える月から逆算して口数を等分する。終わりは決まるが、毎月の金額はぶれる

どちらが正解ということはない。 読めることを取るか、減りにくさを取るか、終わりを決めるか——その選択でしかない。

差し引かれてから届く

解約そのものが無料でも、商品によっては信託財産留保額が差し引かれる。 これは販売会社が取る手数料ではなく、信託財産に残される分だ。 手数料ではなくても、受け取る額が減ることに変わりはない。 「無料」と書かれているのが何の無料なのか、そこは見ておきたい。

税金のほうが、もっと静かに効いてくる。 特定口座(源泉徴収あり)なら、売却のたびに譲渡益へ20.315%が源泉徴収される。 金額指定では、指定した額から税が引かれるのか、税を引いたあとに指定額が届くのか——そこは会社によって違う。

一方、NISA口座内の売却益は非課税。 ただし売って空いた非課税枠は簿価ベースで翌年以降に戻り、買い直すにはその年の年間投資枠を使う。 取り崩しながら買い直す、は思ったほど自由ではない。

どの口座から崩すのか。 ここを決めないまま自動設定だけ先に入れると、あとから効いてくるかもしれない。

順番を決めておく

私の資産は、株式(全世界株式インデックス)と安全資産の二層だ。 安全資産は個人向け国債(変動10年)と現金で、生活防衛資金1年分と同じ器で重なっている。 だから取り崩す順番を考えることは、備えをどこまで薄くするかを考えることでもある。

国債は発行から1年は中途換金できず、換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれる。 すぐに現金化できる置き場所ではない。 そこまで含めて、どこから、いつ、いくら——を先に並べておきたい。

経済的自由は、出口にもある

経済的自由とは、増やし終えた状態のことだと思っていた。 けれど、毎月の生活費が自動で口座に届く経路を持つことは、働き方を選べる状態にとても近い。

入口だけ整えて出口を空白にしておくと、いざというとき選べない。 出口を設計しておくことこそ、選択肢を持つということではないだろうか。

まとめ

今日ひとつだけ。 解約を申し込んでから入金までが何営業日かかるのかを、確かめてみてほしい。 その一行を知るだけで、出口の輪郭は少し見えてくる。

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