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生活防衛資金はどこに置くか|普通預金・定期預金・個人向け国債の比較

経済的自由

はじめに

残高を見て、ほっとする夜がある。 値上がりを待っているお金ではない。ただ置いてあるだけだ。 それでも、そこにあるだけで呼吸が浅くならない。

生活防衛資金は、そういうお金だった。

生活防衛資金に求めるのは、増やす力ではない

このお金の役割は、増やすことではない。 必要になった日に、目減りしていないことだ。

ただ、減るのは額面だけではない。 物価が上がれば、同じ金額で買えるものは静かに減っていく。

だから判断の軸は、利回りより「価値が減らないか」「手をつけずに済むか」になる。

三つの置き場所を並べてみる

・普通預金:いつでも引き出せる。金利は低いが、即時性はいちばん強い

・定期預金:普通預金より金利は高め。ただし中途解約すると金利は下がる

・個人向け国債(変動10年):最低年0.05%が保証され、半年ごとに金利が見直される

どれも元本が大きく揺れる商品ではない。 違うのは、引き出すまでの手間と、金利の動き方だ。

国債の中途換金には手続きと数日がかかり、直前2回分の利子相当額が差し引かれる。 発行から1年間は、原則として換金できない。 その待ち時間を許容できるかが、分かれ目だ。

私は一年分を、個人向け国債に置いている

私の生活防衛資金は、生活費の一年分。 災害用などに別建ての貯金は持たない。 長いあいだ、それは普通預金に置いていた。 動かしたのは、物価だ。 最近、その全額を個人向け国債(変動10年)に移した。

理由は二つある。 半年ごとに金利が見直されるので、金利が動く局面で置いていかれにくいこと。 そして、すぐには引き出せないぶん、生活費の延長として使ってしまわないことだ。

物価が上がる局面では、金利も動きやすい。 物価に勝てるとは限らないが、預金のまま動かないよりはいい。

若い頃、株式投資で損失を出して一度市場から退場した。 コロナショックのときはJ-REITに集中していて、大きな含み損を抱えた。 あのとき生活防衛資金は、まだ普通預金にあった。

それでも売らずにいられたのは、生活費に手をつけずに済んだからだ。 守ってくれたのは利回りではなく、手をつけなくていいお金があるという事実だった。

結果として持ちこたえた。ただ、次もそうできるとは限らない。 引き出しにくさは、そのための備えでもある。

分けるという発想もある

もちろん、全額を一か所に置く必要はない。

・半年分は普通預金に

・残りを定期預金か個人向け国債に

預金の保護は一金融機関あたり元本1000万円まで。国債はその対象外だが、約束しているのは国だ。

ただ、管理が複雑になると続かない。 私はひとつにまとめることを選んだ。

動かないお金は、選択肢の材料になる

生活防衛資金がある人は、暴落の局面で「待つ」ことができる。 下がった相場で積立を止めなくていい。

経済的自由とは、口座の総額ではなく、選択肢を持てる状態のことかもしれない。 このお金自体はほとんど増えない。だが、選べる幅を増やしてくれるのだ。

まとめ

どこに置くかより、いくら置くかが先だった。

今日ひとつだけ、自分の生活費の何ヶ月分が「値動きのない場所」にあるか数えてみてほしい。 安心の正体は、利回りじゃなかった。

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