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お金を貯める習慣を、いつまで続ければいいのか

経済的自由

はじめに

給料が入った日、決まった額が自動で引かれていく。 その設定を、もう長いあいだ触っていない。 ある夜、ふと手が止まった——これ、いつまで続けるのだろう。 貯める習慣には、始めた日はあるのに、終わりの日がない。

止められないのは、強さではないのかもしれない

残高が増えると安心する。 減ると落ち着かない。 だから積み上げる手を止められない。 けれど、止められないのは強さではないのかもしれない。 終わりを決めていないだけ、という場合もある。

貯める理由を聞かれたら、たぶん「不安だから」と答えていた。 不安は数字で満たされない。 だから、いつまでも終わりが来ないのだ。 ゴールのないマラソンは、走るほど苦しくなる。

制度の側には、終わりが書かれている

2024年から始まったNISAは、非課税で持てる期間が無期限になり、制度そのものも恒久化された。 こちらに期限はない。 つまり、いつまで積むかは自分で決める側に残されている。

一方、iDeCoには年齢の線が引かれている。 2026年12月1日施行の改正で、加入できるのは70歳未満まで広がり、国民年金の被保険者でなくても拠出できるようになる。 ただし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金をすでに受け取っていると加入できない。 受け取りは60歳から75歳のあいだで選べる。 積む側と受け取る側は、どこかで必ず切り替わるのだ。

入ってくる側から、逆算してみる

令和6年の全国家計構造調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は月271,665円、うち公的年金などの社会保障給付が247,574円だった。 平均の姿であって、我が家の姿ではない。 それでも、入ってくる側の輪郭はつかめる。 出ていく側は家ごとにまるで違うので、そこは自分で数えるしかない。

土台を厚くする道もある。 65歳で受け取らずに繰り下げると、年金は1か月あたり0.7%ずつ増える。 昭和27年4月2日以後に生まれた人なら75歳まで繰り下げられ、増額率は最大84%。この率は一生変わらない。 増やすか、早く受け取るか。 どちらを選ぶかで、貯める期間の長さも変わってくる。

終わりは、年齢ではなく条件で決まる

貯める習慣の終わりは、何歳という数字ではない。 入ってくるお金と、出ていくお金の差が埋まった地点だ。 そこに届いたとき、続けるかやめるかを、自分で選べるようになる。 経済的自由とは、貯め終えることではなく、この選択肢を持つことなのかもしれない。

残高は目的地ではなく、途中の景色ではないだろうか。 私はいまも全世界株式のインデックスを積み立てている。 止める理由がないから続けている——終わりを知らないから続けているのとは、少し違う。

まとめ

いつまで貯めるのかは、年齢ではなく条件で決まる。 条件を決めないまま数字だけ積んでも、安心は来ない。 今日ひとつだけ、ねんきん定期便を開いて、入ってくる側の数字を見てみてほしい。 終わりの線は、そこから引ける。

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