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年に一度しか資産を見ない暮らしは可能か|確認頻度を落としてみた記録

経済的自由

はじめに

目が覚めて、まずアプリを開く。 増えていれば安心し、減っていれば少し黙る。 それが毎朝の習慣だった。

見ている時間は短い。 それなのに、その短い時間でその日の機嫌が決まっていた。

見ていたのは、資産ではなく価格だった

確認の回数を減らしてみた。 毎日から週に一度へ、月に一度へ、そして年に一度へ。

減らしてみて分かったことがある。 毎日見ていたのは資産ではなく、価格だったのだ。

積み立てているのは全世界株式のインデックスで、買う日も金額も先に決めてある。 下がっても止めないと決めている以上、その日の数字で変わる判断は何もなかった。

比率の点検は年に一度、12月にすると決めている。 決めてあるから、途中の数字を見に行く用事がない。

減らせないものが、ひとつ残った

ただ、頻度を落とすと困るものもあった。 値動きではなく、期限のほうだ。

課税口座——特定口座や一般口座——で譲渡損失が出た年は、確定申告によって上場株式等の配当所得等(申告分離課税を選択したもの)と損益通算できる。 控除しきれない分は、翌年以後3年間の繰越控除に回せる。 ただし繰り越すには、譲渡がなかった年も連続して申告書を出す必要がある。 一年空けた時点で、残りは消えてしまう。

NISA口座はここが違う。 NISA口座内の売却で生じた損失はないものとみなされ、損益通算も繰越控除もできない。 非課税の枠だけを見ていると、期限を数える習慣そのものが育たないのかもしれない。

申告の期間は、その年の翌年2月16日から3月15日まで。 年に一度しか見ないなら、その一度をどこに置くかで意味が変わってくる。

点検日は、もう配られている

年に一度の点検日は、自分で作らなくてもいい。 ねんきん定期便は毎年、誕生月に届く。 50歳未満はこれまでの加入実績に応じた額、50歳以上は老齢年金の見込額——同じ便りでも中身が違う。

封を切る日を、そのまま資産の点検日にしてしまう。 価格ではなく、口座の区分と、期限と、土台になる年金の額を見る日にする。

経済的自由は、見ない時間のことでもある

経済的自由という言葉を、ずっと金額の話だと思っていた。 だが頻度を落としてみて、それは時間の話でもあるのだと気づいた。

毎日確かめないと落ち着かない状態は、お金に時間を明け渡している状態でもある。 選択肢を持つというのは、見る自由と同じくらい、見ない自由を持つことではないだろうか。

まとめ

年に一度しか見ない暮らしは、たぶん可能だ。 減らせたのは、価格を見る回数だった。 減らせなかったのは、期限のほうだった。

今日ひとつだけ、次の誕生月に何を確かめるかを決めてみてほしい。

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