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FIRE後の国民健康保険料を抑えるための基礎知識

経済的自由

はじめに

退職した翌月。届いた通知を開いて手が止まった——という話を何度か聞いたことがある。

国民健康保険料の金額だ。 収入はもうないのに、請求される額は会社員時代の想像を超えている。

自由を手にしたはずの暮らしに、最初に影を落とすのがこの固定費かもしれない。

国民健康保険料が高くなる仕組み

国民健康保険料は「前年の所得」をもとに算定される。 ここが最大の落とし穴だ。

FIRE直後の1年目は、前年にまだ働いていた所得が反映される。 つまり収入ゼロの生活が始まっていても、保険料は”働いていた頃の自分”に課されるのだ。

保険料の構成は大きく3つある。

・医療分(基礎的な医療費に充てる)

・支援金分(後期高齢者医療への拠出)

・介護分(40歳以上が対象)

それぞれに「所得割」と「均等割」がある。 所得割は前年所得に連動し、均等割は所得に関係なく一律にかかる。

収入がなくても均等割はゼロにならない。 この事実が、FIRE後の家計を静かに圧迫する。

退職直後に検討すべき選択肢

退職後の健康保険には主に2つの道がある。

・国民健康保険に加入する

・会社の健康保険を任意継続する(最長2年)

任意継続は、在職中の保険料の約2倍が上限になるが、扶養家族を含められる点が大きい。 一方で国民健康保険は扶養の概念がなく、家族一人ひとりに均等割がかかる。

どちらが有利かは、前年所得と家族構成で変わる。 退職前に両方の概算を出しておくことが、最初の備えになるのだ。

2年目以降に保険料を抑える考え方

FIRE2年目以降は前年所得が大きく下がるため、保険料もかなり軽くなる。 ここからが本当の設計だ。

意識しておきたいポイントがある。

・譲渡所得や配当所得の申告方法で課税所得が変わる

・所得控除(基礎控除・社会保険料控除など)を正しく使う

・住民税非課税世帯の基準を把握しておく

住民税非課税世帯に該当すると、国保の均等割が最大7割軽減される自治体もある。 資産の取り崩し方ひとつで、保険料が年間数万円変わることは珍しくない。

含み益のある資産をいつ・いくら売却するか。 これは投資戦略であると同時に、社会保険料の戦略でもあるのだ。

「知っている」だけで変わる安心感

かつて私は、資産額ばかりを気にしていた。 取り崩しの4%ルール、暴落への備え——そちらにばかり目が向いていた。

しかし社会保険料という”見えにくい固定費”の存在を知ったとき、自由の輪郭が少しはっきりした。

経済的自由とは、収入を得ないことではない。 支出の構造を理解し、選択肢を持つことではないだろうか。

まとめ

FIRE後の国民健康保険料は、知らなければ驚き、知っていれば備えられる。

今日ひとつだけ、自分の自治体の国保計算ページを開いてみてほしい。 退職後の所得をゼロに近い数字で入力したとき、見える金額が——未来の安心の出発点になるかもしれない。

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