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片方だけが投資をしている家庭で、資産を守るためにできること

経済的自由

はじめに

証券口座を開いているのは、家の中で自分だけ。 積立の設定も、方針も、頭の中にしかない。

それを効率だと思っていた。 判断が早いし、迷いも少ない。

でも、ふと思ったのだ。 自分が動けなくなった日、この資産は誰にとっても「よく分からないもの」になる。

片方だけが知っている、という細さ

資産を守るというと、暴落や手数料の話になりやすい。 私も長くそちらばかり見ていた。

けれど片方だけが投資をしている家庭では、もっと手前にリスクがある。 情報が一人に集まっていることそのものだ。

強そうに見えて、実は細い。 知っている人が一人しかいない資産は、その一人が止まると止まる。

制度は、伝わる形を前提にしている

相続の場面では、配偶者は常に相続人になる。 国税庁の説明では、内縁関係の人は相続人に含まれない。

配偶者と子が相続人なら、法定相続分は配偶者2分の1、子が全員で2分の1。 配偶者と直系尊属なら3分の2と3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら4分の3と4分の1。

ただしこれは、話し合いがまとまらなかったときの持分だ。 必ずこの割合で分けなければならないわけではない。

配偶者には税額の軽減もある。 実際に取得した正味の遺産額が1億6千万円か、配偶者の法定相続分相当額か——多いほうまでは相続税がかからない。

数字だけ見ると、手厚い。 だが条件が付いている。

この軽減は「実際に取得した財産」をもとに計算される。 申告期限までに分割されていない財産は、対象にならないのだ。

申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添えて、期限から3年以内に分割すれば対象になる。 申告のあとに分割が決まった場合は、成立した日の翌日から4か月以内に更正の請求をする。

つまり制度は、遺された人が動けることを前提にしている。 動くには、何がどこにあるかが分かっていなければならない。

生前に渡すという選択肢

夫婦のあいだには、別の制度もある。 婚姻期間が20年を過ぎた夫婦で、居住用不動産か、それを取得するための金銭を贈与したとき。

基礎控除110万円のほかに、最高2,000万円まで控除できる。 ただし贈与税の申告が要り、同じ配偶者からは一生に一度だけ。

翌年3月15日までにその家に現実に住み、その後も住み続ける見込みであること。 条件は細かいが、選べる道があること自体は覚えておいていい。

守るとは、伝わる形にすること

私は投資の中身を分散してきた。 全世界株式のインデックスを積み立て、安全資産と二層に分けている。

でも情報は分散していなかった。 分散の発想を、資産にだけ使って、知識には使っていなかったのだ。

経済的自由を選択肢の多さだと考えるなら、その選択肢は自分だけのものではないはずだ。 家族が選べる状態にあって、はじめて選択肢と呼べるのではないだろうか。

まとめ

守るというのは、増やすことではなく、伝わる形にしておくことなのかもしれない。

今日ひとつだけ。 どの金融機関に口座があるかを、紙一枚に書き出して、家の誰かに置き場所を伝えてみてほしい。

残高までは書かなくていい。 入口さえ分かれば、そこから先は制度が支えてくれる。

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