はじめに
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金づくりに役立つ制度として注目されています。しかし実際に始めてみると「途中でやめたらどうなるの?」という不安が出てくる人も多いでしょう。今回は、iDeCoを途中でやめたときの影響や注意点について整理します。
iDeCoを途中でやめるとどうなるか
結論から言えば、iDeCoは原則として60歳になるまで資産を引き出すことができません。つまり「完全にやめて払い戻す」という選択肢は基本的に存在しません。できるのは積立の「停止」や「中断」であり、それまで積み立てた資産は運用を続けるか、現金化して待機させることになります。
やめられない仕組みの理由
この制約は不便に思えるかもしれませんが、実は老後資金を確実に残すための仕組みです。もし自由に引き出せる制度であれば、途中で生活費に使ってしまい、老後に資金不足となるリスクが高まります。制度の目的は「将来のお金を守る」こと。そのためにあえて制限を設けているのです。
中断したときに失うもの
途中で掛金を止めると、所得控除による節税メリットが得られなくなります。また、積立額が減るため将来の資産形成ペースも鈍ります。ただし、積立をやめても口座管理費用は継続して発生する点には注意が必要です。一方で、家計の状況に応じて柔軟に掛金を減額できる仕組みもあるため、完全にやめる前に調整する余地があります。
新しい視点:やめる前に考えたいこと
「やめる」か「続ける」かを二択で考える必要はありません。むしろ大切なのは、家計の余裕やライフプランに合わせて調整することです。たとえば新NISAとの併用を検討したり、生活防衛資金を確保してから再開する選択も可能です。重要なのは「無理なく続ける仕組みを作る」こと。続けることで将来の安心は大きく広がります。
まとめ
iDeCoを途中でやめることは基本的にできませんが、積立を中断することは可能です。ただし、その場合は節税効果や資産形成のスピードが落ちる点に注意が必要です。やめる前に掛金額を調整したり、新NISAなど他の制度とバランスを取る工夫をするのがおすすめです。
安心は「やめないこと」からしか得られないのではなく、「続ける工夫」を見つけることで生まれます。今日の一歩が、未来の自分への最大の贈り物になるのです。

