はじめに
FIRE（経済的自由を得て早期リタイア）を目指す人の多くが陥りやすいのが「完璧主義」です。投資戦略や家計管理を100％正しく行わなければ不安になる気持ちは自然なこと。しかし、そのこだわりがかえって行動を止め、ストレスを生み、FIREの道を遠ざけてしまうこともあります。今回は、FIREを目指す人が抱えがちな完璧主義への対処法を考えてみましょう。
FIREと完璧主義の落とし穴
FIREを目指す上で「計画どおりに積立を続けたい」「最適な商品を選びたい」と思うのは当然です。ですが、相場は常に変動し、未来を完全に予測することはできません。完璧を求めすぎると、少しの誤差や想定外の出来事に過剰に反応してしまい、精神的に疲弊する原因になります。
たとえば、毎月の支出が予算をわずかにオーバーしただけで「失敗だ」と感じたり、一度の下落で「投資方針を間違えたのでは」と悩んでしまうケースです。こうした思考はモチベーションを奪い、長期的な継続を難しくします。
完璧主義から抜け出す3つの工夫
完璧を目指すよりも「おおらかに続ける」姿勢が、結果的に成功を近づけます。そのために実践できる工夫を紹介します。
1つ目は「80点主義」です。計画通りにいかなくても、おおむね良い方向に進んでいれば十分。資産形成は長期戦なので、小さな誤差は将来大きな問題にはなりません。
2つ目は「仕組み化」です。積立投資や自動振替を設定すれば、判断の負担が減り、日々の完璧さを追う必要がなくなります。
3つ目は「立ち止まる視点を持つこと」です。月単位ではなく年単位で成果を振り返れば、一時的な揺らぎも許容できます。時間軸を長く持つことは、心の安定にもつながります。
まとめ
FIREを目指す過程で完璧を追い求めると、逆に遠回りになることがあります。大切なのは「続けられる仕組み」と「自分に対するおおらかさ」です。80点で良しとする習慣、自動化による仕組み化、長期視点での振り返りは、どれもストレスを減らし、FIRE達成率を高めます。
完璧主義から一歩離れることは「妥協」ではなく「持続するための戦略」です。今日から、自分に優しい仕組みをひとつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
