はじめに
投資を始めるとき、「全世界株式」「米国株」「バランス型」のどれを選ぶべきか悩む人は多いでしょう。直近10年を振り返ると、それぞれの投資対象は異なる成果を出してきました。本記事では、全世界株式・米国株・バランス型の10年間の損益を比較しながら、長期投資における選び方のヒントを探ります。
全世界株式は“安心の土台”
全世界株式インデックスは、文字通り世界中の株式市場に分散して投資します。ポイントは「一国の経済に依存しない安心感」です。理由は、仮にある地域が低迷しても他の地域がカバーする可能性があるからです。実際、過去10年では米国株の上昇が全世界株式の成績を押し上げました。例を挙げると、MSCI ACWIをベースにした投資信託は年平均6〜7%ほどの成長を記録しました。つまり、大きな波を避けながら、着実に資産を育てる選択肢として全世界株式は有効なのです。
米国株は“成長の先頭”
米国株インデックスは、この10年間で最も高いリターンを示しました。理由はGAFAをはじめとする巨大テクノロジー企業の躍進です。たとえばS&P500に連動するファンドは、年平均10%近い成長を見せました。結果として、全世界株式よりも大きく資産が増えるケースが多かったのです。ポイントは「リスクを取っても成長を狙いたい人向け」だということ。米国株に集中することで高リターンを得られる可能性はありますが、その分値動きの大きさにも向き合う必要があります。
バランス型は“守りの安定感”
株式だけでなく債券も組み合わせるバランス型は、値動きが比較的穏やかです。理由は債券が株価下落時のクッションになるからです。例として、株式50％＋債券50％のバランス型ファンドでは、過去10年で年平均3〜4%程度の成長にとどまりました。リターンは控えめですが、下落時の損失幅も小さいため、安心して長く持てる特徴があります。ポイントは「大きな利益よりも安定を重視する人」に適しているということです。
まとめ
全世界株式は分散効果による安心感、米国株は突出した成長力、バランス型は安定性。この10年間を振り返ると、それぞれに明確な個性が見えてきます。未来を完全に予測することはできませんが、自分が「安心を取りたいのか」「成長を狙いたいのか」「安定を重視したいのか」を意識することが大切です。投資の選択は、そのまま生き方の選択にもつながります。あなたはどの10年を選びますか？
